Budweiser
ポップカルチャーを纏う、ストライプ。
一見すると、ただのプレッピーなボタンダウン。
ピンク×ホワイトの爽やかなストライプは、春の光を受け止める優等生の顔をしている。
けれど、襟元をのぞけば
アメリカを代表するビールブランド、Budweiser。
アイビーとビール。
真面目と遊び。
そのギャップこそが、この一枚の本質だ。
80〜90年代、ロゴは“忠誠心”だった
マルボロ、コカ・コーラ、バドワイザー。
ロゴを着ることは、ブランドへの愛情表現だった時代。
とりわけBudweiserは、単なるビールではない。
スポーツ、音楽、モータースポーツ——
アメリカンカルチャーのど真ん中にいた存在。
そのロゴを、あえてアイビー調のシャツに落とし込む。
労働者階級だけでなく、大学生やホワイトカラーにも届くように。
企業広告でありながら、ファッションとして成立させる設計思想。
これが、企業系ヴィンテージの面白さだ。
Made in Koreaという、時代の証明
タグには「Made in Korea」。
60〜70年代のUSA製とは違う。
でも、これこそが80〜90年代のリアル。
当時の韓国工場は、ラルフローレンをはじめとするブランドのOEMも担っていた背景がある。
縫製は丁寧で、生地もタフ。
ノベルティの域を軽々と超えてくる完成度。
“アメリカブランドなのに韓国製”ではなく、
“あの時代だから韓国製”。
それが、価値になる。
ディテールに宿る設計
ボタンダウンカラー。
胸ポケット脇のピスネーム。
まるでリーバイスの赤タブを思わせる、小さな主張。
遠目には静かに、近づけば確かにBudweiser。
ロゴを全面に押し出さない控えめさが、今はむしろ新鮮だ。
なぜ今、これを着るのか
DHLやIKEAのロゴがファッションになる時代。
誰もが知るブランドを、あえて“服”として楽しむ感覚。
そしてもうひとつ。
30年前に作られたシャツを、いまの解釈で着るという選択。
大量生産ではなく、物語を選ぶこと。
新品ではなく、時間を纏うこと。
このシャツは、ただの企業ロゴではない。
アメリカのポップカルチャーと、プレッピーの美学が交差した一点。
真面目な顔をして、実はビール好き。
そんな余白を、さらりと着る。
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